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■この記事を書いた人
名前:まふかず
仕事:東証プライム上場で数千人規模のIT企業 / 法人営業10年目 / 80%在宅勤務
転職:〇〇の秘書→田舎の広告営業→IT企業
特徴: ITの最新情報が好き / 技術ゼロの文系
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今回のテーマは「SIer(エスアイヤー)」です。
目や耳にしても、その実体が何かを理解するのは難しい言葉ではないでしょうか。
SIerとは何かを一言でいうと
です。
SIerの仕事について人に説明する場合、
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「システムを完成させるまでの企画提案、設計、制作、販売から、
時にはコンサルティングや工事、システム完成後の運用や保守(メンテナンス)を行う会社のことだよ。お客さんの仕事内容に対する知識、ITに関する知識と技術、そして信頼を求められるよ。」
と話します。
SIerとは?なんの略?
SIerという言葉の意味
SIer(エスアイヤー)とは「System Integrator」(システムインテグレーター)の略で、
「Integrator」とはまとめる者、という意味。
つまり、「システムをまとめる者」という意味です。
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なぜ「SIer」かと言うとintegratorの動詞「integrate」に
「-する者」という接尾辞の「-er」を付ける場合、
「-ate」で終わる単語は「-or」に(ほとんど)変化するからです。
「SI」に「-er」を付けているので、「SIer」と表記されています。
主に、会社や業界のシステムをまとめる業務をする会社をSIerと呼びます。
そもそもシステムとは?
そもそも「システム」とは、以下のように定義されています。
「複数の要素が有機的に関係しあい、全体としてまとまった機能を発揮している要素の集合体。組織。系統。仕組み。」
広辞苑(岩波書店)
文にするとイマイチわかりにくいですが
ざっくり言うと、「組み合わせて成り立つもの」といえます。
例えば、
生き物の生態系のことを「エコシステム」と呼びます。
ヒトが寝て、起きて、食べて、生活することもシステムの一種です。
会社も社長、管理職、営業職、事務職などからつくられているシステムです。
ここでいうシステムとは
会社や業界がビジネス(仕事)上で使う
受発注や会計、コミュニケーションや情報連携のようなことを指します。
SEとの違いは?
似た言葉にSE(エスイー)があります。
SEは「System Engineer」(システムエンジニア)の略で、
コンピューターなどの情報機器を使ったシステムの開発や設計を行う技術者のことです。
ひとまとめにSEと言ってもプログラマーやネットワークエンジニアなど
専門によって仕事内容は様々です。
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パン職人、ケーキ職人、和食料理人…のようなものです。
基礎知識は共通するものがあっても、得意な分野や作業はまるで違います。
SESとの違いは?
また、似た言葉にSES(エスイーエス)があります。
SESは「System Engineer Service」(システムエンジニアサービス)の略で、
SEの技術力を提供するサービス業態のことです。
技術者の労働力を商品にする、という意味で人材派遣に近いのですが
「あるシステムを作るためにSEの作業が必要な工程だけ引き受ける」
といった、技術力そのものの提供に焦点を当てたサービスです。
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技術者集団の会社、ということです。
CEとの違いは?
さらに、似た言葉にCE(シーイー)があります。
CEは「Customer Engineer」(カスタマーエンジニア)の略で
既に稼働しているシステムに対する運用や保守(メンテナンス)を担当する技術者のことです。
「カスタマー=顧客」に紐づくためこう呼ばれています。
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必ずしもSEと明確に区別されるわけではなく、SEの分類の一つです。
SIerの仕事とは?
SIerの仕事内容は?
SIerの仕事とは、システムを完成させるまでの企画提案、設計、制作、販売から、
時にはコンサルティングや工事、システム完成後の運用や保守(メンテナンス)を行うことです。
つまり、依頼者はシステムをまるごと任せることになるので
総合的な知識と技術、そして、信頼が求められます。
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SIerの種類
SIerは大きく3種類に分けることができます。
- メーカー系
- 独立系
- ユーザー系
です。簡単に解説していきます。
①メーカー系
パソコンやサーバーなど、システムの中核を担うような機器や、
汎用的で大規模なソフトウェアを自社で用意しているSIerを
メーカー系と呼びます。
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SIerの親会社がメーカーであることが由来です。
自社で生産している製品があり、関連する技術力も持っていて、
SIの全てを担うことができる規模を持つことがほとんどです。
自社製品の提供が前提であることが長所でもあり、制約にもなります。
例:NEC(NECネッツエスアイ、NECフィールディング)、富士通(富士通エフサス)、日立(日立ソリューションズ、日立システムズ)など
②独立系
SI事業を専門とし、様々なメーカーやSESと協力して仕事をするSIerを
独立系と呼びます。
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メーカー系と違い、通常親会社にあたるようなメーカーが存在しません。
特定のメーカーやサービスに縛られず、比較的自由な提案でお客さんの要望を満たすことができることが強みです。
ただし、機器やソフト、技術力の仕入れが都度発生することや、取引先との関係性により完全に自由な仕事ができるわけではないことは注意が必要です。
例:IIJ(日本初のインターネット接続サービスを提供)、大塚商会(オフィス事務機の専門商社から発展)、日本ユニシス(日本で初めて商用コンピューターを導入)など
③ユーザー系
特定の企業や業界を専門とするシステム事業がSIerとして分離した会社を
ユーザー系と呼びます。
なんと言っても、得意分野に関しては他のSIerでは持ち得ない知識や技術力を持っていることが強みです。
反対に、得意分野以外では実力を発揮できない、依頼者と上下関係にあることが多いため柔軟な提案がしにくいといった弱点もあります。
例:NTT(NTTデータ:通信インフラ)、CTC(伊藤忠テクノソリューションズ:総合商社)、野村総合研究所(野村證券:証券会社)など
SIerは腐ってる?転職はやめとけっていわれるけど本当?
よく、「SIerは腐ってる。転職するのはブラックだからやめとけ」という言葉を耳にします。
結論は「SIerはオススメ」です。
理由を2つお伝えします。
理由1.なぜ腐っているか=一部古い体制の会社があるから?
SIerの特徴は、お客さんの仕事やシステムに対し、豊富な知識と高い技術、そして信頼を求められることです。
つまり、ある程度関係の近い存在でなければ、安心して仕事を任せることができません。
ここで生まれる心配ごとに、
- 顧客と明確な上下関係があり厳しい
- 癒着がありそう
- 古いシステムばかりで進歩しない
のようなことが挙げられます。
まず、独占禁止法で取引の公平性は守られています。
ここで、受注者と発注者、親会社と小会社といった
上下関係のあるように見える関係でも、公正な取引が行われるよう規制されています。
つまり、不公平な取引(仕事)を行うことは
法律に違反したり、世間から批判されたりするというリスクがあります。
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古いシステムは、IT業界の構造上、必ず進歩をしなければ行けない状況にあります。
例えば、代表的な「古いシステム」の一つに、
社内での情報共有やコミュニケーションを円滑にする
グループウェアの先駆けとして大人気だったIBM社の「Notes」があります。
導入から20年以上が経ち、管理できる人間がいなくなっていることや、
2019年にインドのHCL Technologiesに売却されたことなどが原因で、システムの移行を余儀なくされています。
他に、MicrosoftとWord,Excel,AccessなどのOffice製品を始め、
多くのメーカーのソフトウェアがSaaSに移行を進めている状況です。
安全に正しく利用するためには、常にソフトウェアを最新の状態にすることが求められます。
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WindowsやMac、iPhoneやAndroidのOSも、セキュリティ対策のために緊急のアップデートを求める場合があります。
つまり、会社経営の問題、人材の問題、ソフトウェアの問題から
古いシステムは強制的に無くなっていくことになります。
理由2.成長産業だから将来性がある
IT業界は成長産業であり、SIerには将来性があります。
総務省の発表している「令和4年版 情報通信白書」によると
「日本の民間ICT市場規模(ICT投資額)の推移及び予測」は右肩上がり、
「世界のICT市場規模(支出額)の推移」も長期的に見ると右肩上がりです。
また、文章生成AIのChatGPTを始めとしたAIの発展も目覚ましく、
ますます市場規模が拡大すると考えられます。
「AIに仕事を取って代わられる」
という声もありますが、SIerで働いているとAIについての理解も自然と深まり
AIが得意な仕事、人間が得意な仕事の分別ができるようになってきます。
つまり、高確率でこれから訪れる時代の中でも活躍し続けられる人材になることができます。
まとめ
改めて、SIerとは何かを一言でいうと
です。
SIerの仕事について人に説明する場合、
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「システムを完成させるまでの企画提案、設計、制作、販売から、
時にはコンサルティングや工事、システム完成後の運用や保守(メンテナンス)を行う会社のことだよ。お客さんの仕事内容に対する知識、ITに関する知識と技術、そして信頼を求められるよ。」
と話します。
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