■この記事を書いた人
名前:まふかず
仕事:東証プライム上場で数千人規模のIT企業 / 法人営業10年目 / 80%在宅勤務
転職:〇〇の秘書→田舎の広告営業→IT企業
特徴: ITの最新情報が好き / 技術ゼロの文系
📖詳しいプロフィールはこちら
今回のテーマは「ブロックチェーン」です。
目や耳にする機会は多くても、よく理解しにくい言葉ではないでしょうか。
ブロックチェーンとは何かを一言でいうと
です。
人に説明する場合、
「取引や情報の更新履歴を複雑に暗号化したデータを、
関係者みんなで分散して持つことによって、
不正に対して強くできる仕組み。
情報の解読は難しいけど、そのおかげで成り立っている技術だよ。」
と話します。
こんな方にオススメの記事です!
- ブロックチェーンってよく聞くけど何?
- ブロックチェーンって何がすごいの?
- ブロックチェーンって怪しい…危なくないの?
ブロックチェーンとは何かを一言でいうと、
です。
暗号化したデータのかたまり(ブロック)を関係者みんなで分散して持つことで、不正が起きたらみんながわかる仕組み。あなたのデータには、次の人と前の人のデータが連携(チェーン)されているよ。
この記事を読むとブロックチェーンについて人に説明できるくらいにはざっくり理解できます。大手IT企業の現役社員がわかりやすく解説します!
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名前:まふかず
仕事:東証プライム上場で数千人規模のIT企業 / 法人営業10年目 / 80%在宅勤務
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ブロックチェーンとは?(ブロックチェーンの定義)
日本ブロックチェーン協会(JBA = Japan Blockchain Association)によるブロックチェーンの定義を引用します。
ブロックチェーンの定義
1)「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。」
2)「電子署名とハッシュポインタを使用し改ざん検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」
これを短く簡単にすると…
- 【前提】「1)仕組みが壊れないこと、壊れそうになっても直ること」
- 【目的】「2)関係性がわかるデータを、みんなで管理ができること」
これを可能にする技術のことをブロックチェーンと言います。
専門用語っぽい言葉の簡単な説明
ノード =同じネットワークに参加しているコンピューター。(※ブロックチェーンの説明上での意味)
プロコトル =決まりごと。規格。
電子署名 =情報を書き込める文書データ。
前置きはこのくらいで説明に進みます!
なぜ広まってきたの?(ブロックチェーンが支えている技術)
ブロックチェーンが支えているもの
ブロックチェーンを利用した技術として最も重要なものは、暗号資産(仮想通貨)です。
暗号資産はブロックチェーンの技術で成り立っています!
ブロックチェーンは暗号資産以外にはこんなものにも活用されています。
- DeFi(分散型金融)
- DAO(分散型自律組織)
- NFT(非代替性トークン)
全てに共通しているキーワードが「分散型」(Decentralized)であり、それらを根幹から支えている技術がブロックチェーンです。
仮想通貨が誕生したきっかけについては以下の記事内、「なぜ広まってきたの?(DAOが誕生するまでの流れ)」をご参照ください!
分散型台帳技術(DTL)との違い
ブロックチェーンは「分散型台帳技術」(DTL)のうちの一つです。よく混同されますが「ブロックチェーン=分散型台帳技術」ではありません。
考え方の違いは…
- ブロックチェーン
「みんなで分散して持つことで同じ台帳になるデータを持とうね」
→100ピースのパズルのピースを分けて持つ - 分散型台帳技術
「みんなで同じ台帳(データベース)を分散して持とうね」
→みんなで同じ100ピースのパズルを持つ
ブロックチェーンはバラバラなのに台帳として機能できることが特徴ですね。
サプライチェーンとの違い
似た言葉にサプライチェーンがありますが、全く別もので、経済上でモノが生まれて消費されるまでの流れのことです。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が毎年発表している「情報セキュリティ10大脅威」の2019年版で、サプライチェーンをねらったサイバー攻撃が初登場で第4位になりました。
ほぼ同時期の2018年1月に日本でコインチェック事件が起き、ブロックチェーンの技術を使った暗号通貨に対するネガティブなイメージが広がった印象と重なって、認知の混乱が生まれてしまったのではないでしょうか。
似たような言葉が似たような時期に広まったんだね…。
ブロックチェーンの仕組み
ハッシュ(hash)
ブロックチェーンの定義の中に登場したハッシュポインタ(hash pointers)という言葉の中のハッシュ(hash)が仕組みのカギを握ります。
ハッシュドポテトのハッシュと同じで“こまごまにする”という意味です。
ハッシュとは闇鍋するようなものです。
何か食材を放り込んで煮込み、適当に取り出した食材が「ハッシュ値」にあたります。つまり、「元の情報を適当な情報(文字列)にしたもの=ハッシュ値」です。元の放り込んだモノを煮込んでハッシュ値にすることをハッシュ化と言います。
ハッシュ値はナンス(nonce = number used onceの略)という、
32bit (最大4,294,967,296 種 =2の32乗)の値で表されます。(とにかくすごく桁が多い)
そして、食材を盛った器をひっくるめて一つの「ブロック」という捉え方をします。
ハッシュポインタ(hash pointers)
そしたら結局ハッシュポインタって何?
「ハッシュ+ポインタ(指し示すもの)」のことで、ブロックチェーンではチェーン(連結)されている隣のハッシュ値のことを指しています。
次の人や前の人が持っているブロックの中のハッシュ値もひっくるめて、闇鍋(ハッシュ化)します。
ブロックチェーンの「チェーン」の部分にあたる大事な部分です。
暗号資産の取引でいうところの、取引の関係者がそれぞれ取引情報をハッシュ化したハッシュ値を持ち、
「ハッシュ値 + 連結している隣の関係者(ノード)が持つブロックのハッシュ値」=ブロック
と言えます。
このブロックを連結させて、取引情報の整合性を取る技術のことをブロックチェーンと呼びます。
マイニング(mining)
ですが、個々の持つブロックはハッシュ値か、
もしくはハッシュ値からさらに作られたハッシュ値でしかありません。
パッと見、なんの情報なのかわかりません。
煮込みすぎた食材を見ても、元々何だったか当てるのは難しいですね。
ここから取引情報を解読すること
(暗号通貨の取引を承認すること)
をマイニング(mining=採掘)と言います。
ハッシュ値が持つ特徴として、
「一方向性(原像計算困難性)」
が挙げられます。
生成されたハッシュ値から、もともと入力された情報を特定することは困難
という意味です。
大事なのは「困難」という点です。
つまり、「不可能ではない」ということです。
この解読が不可能ではないハッシュ値の暗号を
高性能なコンピューター使って膨大な量の計算を行い、解きます。
これがマイニングです。
その計算速度をハッシュレート(ハッシュパワー)と呼びます。
そして、マイニングを行う人のことをマイナー(miner=採掘者)と呼び、
最も早く解読したマイナーへ報酬として新規の暗号資産が発行されます。
ここに懸念が生まれます。
「暗号を解くことができるのならば改ざんもできるのではないか」
と。
問題や課題
「暗号が解けるなら改ざんもできるのでは?」と考えるのは自然です。
ちょっと想像してみてください。
日本国内で仮に100億円のお金が流通していたとします。
円の供給量を調整するために貨幣を作っている
日本銀行が50億円、新規で発行しました。
円の総量が1.5倍になったので、
今まで100円の価値があったものが、急に150円になったようなものです。
50億円が日本国内で増えたようで増えていません。
ですが、マイニングの報酬はどうでしょうか。
仮に100億ビットコインが流通していたとして、
報酬の50億ビットコインを受け取った場合、
その瞬間に50億ビットコインの価値を持つものとして利用できます。
マイナーは価値が相対的に下がる前に
発行したての暗号資産を手にすることができるということです。
しかし、暗号が解けるならば組み替えることも可能ということになります。
もしマイナーがデータの改ざんをしたらどうでしょうか。
例えば、他人のビットコインを自分のものであるかのようにしたり、
自分の保有する暗号資産を増やしたり、
どんな不正を働いたとしても別のマイナーに改ざんを解読されてします。
そして、その行為は世間のビットコイン(暗号資産)そのものに対する信頼を失ってしまいます。
信頼を失うということは価値を失うということなので、
わざわざ不正を働くよりも
マイニングの報酬として新規のビットコインを受け取った方が
自らに不利なく高い恩恵を得られます。
この仕組みこそが
ブロックチェーンの定義の一つであり前提でもある、
「1)仕組みが崩壊しないこと、崩壊しそうになっても修復すること」
を満たせるようになっています。
なお、ブロックチェーンの定義の中に登場する「ビザンチン障害」とは
古代ローマ時代のビザンツ帝国に実在していた
トップのいない分散型組織、ビザンチン軍になぞらえた例え話が元になっています。
1982年、アメリカの数学者レスリー・ランポートによって提唱された、
9人の将軍のうち1人の裏切者(スパイ)が組織を崩壊させるたくらみを
慣用句のようなものにした言葉です。
分散型の仕組みに問題が発生しても大丈夫、
ということを「ビザンチン耐性がある」とか言い表します。
私たちはどうすればいいの?
大事なことはブロックチェーンを使った暗号資産を持とう、ということではなく、
その技術を理解しておくことが重要です。
NFT、DAO、DeFiなど
今は全ての人に関係が無いようなものでも、
「分散型」という考え方はインターネット上だけでなく、現実でも活かすことができます。
日本を含めた世界中のほとんどの国で採用されている
民主主義の発展形とも捉えることができます。
情報発信者や、インフルエンサーによるオンラインサロンの運営実態はメンバーが主体的である(主体的になる)傾向があるので
DAOのように権力分散的な組織であることが多い印象です。
組織や経済が分散型であることが大きなテーマである
Web3の時代において
ブロックチェーンはあらゆる分野の下支えとなっています。
まとめ
改めて、ブロックチェーンとは何かを一言でいうと
です。
人に説明する場合、
「取引や情報の更新履歴を複雑に暗号化したデータを、
関係者みんなで分散して持つことによって、
不正に対して強くできる仕組み。
情報の解読は難しいけど、そのおかげで成り立っている技術だよ。」
というようにお話してみてはいかがでしょうか。
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