■この記事を書いた人
名前:まふかず
仕事:東証プライム上場で数千人規模のIT企業 / 法人営業10年目 / 80%在宅勤務
転職:〇〇の秘書→田舎の広告営業→IT企業
特徴: ITの最新情報が好き / 技術ゼロの文系
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今回のテーマは「RPA」です。
RPAとは何かを一言でいうと
です。
人に説明する場合、
「人間のパソコンの作業を登録しておくことで、
自動的に実行してくれる仕組みのこと。
作業内容は事前に人間が設定する必要があるよ。」
と話します。
この記事を読むと、なんとなくしか知らなかったRPAについて理解でき、人に説明ができるようになります。
なぜ広まってきたの?
RPAという言葉の意味
まず、RPAという言葉の意味は
「Robotic Process Automation(ロボティックプロセスオートメーション)」
です。
直訳すると
ロボット的な工程の自動化
です。
まず、ここでいう「ロボット」というのは
必ずしもこういったものではありません。
あくまで
“ロボットのように”
ということです。
似た言葉に「RDA(Robotic Desktop Automation)」がありますが、
「RPAの縮小版(デスクトップ版)」を意味するので、説明は省略します。
RPA市場の拡大
RPAという言葉は2016年頃から広がっていきました。
2015年に約2億円だったRPA市場の規模が
翌2016年に4倍の約8億円、
その後も拡大をし続け2019年に約530億円、
2023年には関連製品を含めて1,520億円になると予想されています。
なぜ順調に広がってきたのでしょうか。
大きく2つの理由が考えられます。
理由1:人手不足
1つ目は人手不足です。
「独立行政法人 労働政策研究・研修機構」の調査によると
リーマンショックの起きた2008年頃をピークに
有効求人倍率が急落しました。
2014年頃にリーマンショック頃の水準まで回復し、
以降、2020年のコロナ禍になるまで上昇し続けていました。
つまり、人手不足の状態が悪化し続けていた
ということです。
そんな中でも会社は事業を継続しなければいけません。
そのため、人を雇う以外の方法で業務を行う手段の一つとして
RPAが注目を浴びました。
[引用元]国内統計:有効求人倍率
当然、日本の人口(とりわけ労働者の人口)が減っていることも
人手不足に影響しています。
理由2:働き方改革
もう一つは2019年4月1日に施行された「働き方改革」です。
2015年12月、電通が高橋まつりさんを過労自殺に追い込んだ事件は
世間に大きな衝撃を与えました。
この事件を発端の一つとして
日本政府により
主に「長時間労働の是正」を軸とした
「働き方改革」が提唱されるようになりました。
施行前の準備段階から世間ではその対策の一つとして、RPAが注目されていました。
このような時代背景により、
RPAは広く認知され、多くの業界で導入が進んでいったのだと考えられます。
代表的なRPAの製品例
日本国内シェア1位の「WinActor」
その他、比較的有名なRPA製品。
「BizRobo! / Automation Anywhere / Blue Prism」
また、マイクロソフトも「Power Automate」というRPAを提供しています。
RPAがあるとどうなるの?
これまでの自動化との違い(アプリケーション間を横断できる)
パソコンなどの端末の操作を
人間の代わりに行ってくれるものがRPAです。
パソコン上の作業の自動化自体は
エクセルのマクロやVBA(Visual Basic for Application)といったものが
既に存在していました。
RPAの主な特徴として
「アプリケーション間を横断できる」
という点が上げられます。
- ブラウザ上のwebアプリから情報を取得
- エクセルに転記
- 社内システムで処理
のようなことが可能です。
これがエクセルのマクロやVBAとの大きな違いです。
iPhone(iOS)のアプリ「ショートカット」に似たものがあります。
日常業務の整理ができる
RPAを使うためには、
予めプログラミング(何をさせるかの設定)が必要です。
これ自体は特別な知識や技術が要るような
難しいことではありません。
プログラミングと表現しましたが、
HTML/CSSとかJavascriptとかPythonのような
プログラミング言語を用いるものではありません。
RPAに任せる業務の流れを選んで並べていくだけです。
以下はWinActrorの場合の設定(フローチャート編集)の例です。
kintoneなんかも「ドラッグ&ドロップ」で必要な機能を選んで
アプリケーションを作っていく製品ですね。
つまり、
- 何が任せられるか探して
- 何を任せるか決めて
- 具体的な作業を設定する必要がある
ということです。
ここで重要になるのは
日常業務の整理ができる
ということです。
例えば、
RPAに何を任せようか考えるために
発注作業を自動化しようとしたとします。
- ①見積書を作る
-
お客さんがアプリ上で自動的に発行できるようにしたら?
- ②メールやFAXで注文書を受領する
-
見積書発行アプリと対応させて注文データを送信してもらったら?
- ③注文情報を仕入先に伝える
-
メールじゃなくてチャットツールを使えば速いんじゃない?
- ④顧客リストや帳簿を更新する
-
手作業でやる必要ある?管理ツールを導入したら?
と、これらはほんの一例です。
これまでやっていたこと、RPAに任せようとしていたことが
実は不要だったり、他の製品で実現できたりといった発見があるはずです。
その上で、
本当に人間がやるべきこと
RPAがやるべきこと
を決めていくことができます。
RPA導入について考える時の意外なメリットですね。
問題や課題(業務効率化に効果はあるが注意点あり)
RPA導入=ラクになる、ではない
何も考えずに
RPAを導入してロボットに任せれば楽になるぞ!
ではありません。
日常業務の整理をした後に
本格的なプログラミングではないにせよ
RPAに任せる業務を全て指示する必要があります。
【RPAに指示する作業項目の例】
・ポインター(マウス)をここからここへ移動させる
・クリックする
・どこどこのセルを選んでクリックする
・コピーをする
・ブラウザを立ち上げる
・Webアプリを起動する
・ログインする(ID/パスワード)を入れる
・既にログインしていた場合は・・・
といった、
人間が何気なく行っている動きを
全て一つ一つ指定する必要があります。
なかなか骨の折れる作業です。
この作業指示部分について
代行してくれるサービスを提供している会社はあります。
他にも、膨大な労力やコストをかけて本当に効果があるのか
事前に検証するサービス
「PoC」(Proof of Concept)=概念実証
というものも存在します。
RPAのように「買えばOK」ではない製品には、相性が良いサービスです。
「RPA=AI」ではない
「AI(Artificial Intelligence)」とは人工知能のことです。
データを基に動作するという意味では、
RPAもAIであるかのように感じます。
しかし、RPA単体で見ると指定された動作を実行するだけのものです。
もし、AIの要素を組み合わせて膨大な作業のパターンを記録し、
「この場合はこう、こっちはこう、どっちも違うならこう…」
といった選択を学習していき、都度判断ができるようになると
それは「RPA+AI」となります。
つまり「RPA=AI」ではないが
「RPA+AI」は親和性が高いため
混同されやすいということです。
私たちはどうしたらいいの?(使い方を考えることが大事)
実際に様々な企業や地方自治体で
RPA導入による効果が報告されています。
ロボットを使えば人間は楽になる
という考え方を捨て、
ロボットをどう使えば人間は楽になるか
と考えるようになることが大事なのではないでしょうか。
■法人向け導入事例(サービス「RPA・ロボット」を選択するとソート可能です)
■自治体のRPA導入事例(業務効率化や作業時間削減が多く該当しています)
まとめ
改めて、RPAとは何かを一言でいうと
です。
人に説明する場合、
「人間のパソコンの作業を登録しておくことで、
自動的に実行してくれる仕組みのこと。
作業内容は事前に人間が設定する必要があるよ。」
というようにお話してみてはいかがでしょうか。
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